目指すところ
会津の杜をより心地よく
私たちは、会津を流れる風や水の流れをより心地よいものにするために活動します。
一口に風や水と言っても、いろいろなカタチがあります。畑の上を流れる風や、道路脇の街路樹を揺らす風、目に見える川や、土の中を流れて樹の中に入って蕾まで届く水。
地球上にある風も水も、完全な密閉空間でない限りすべて繋がっています。大げさに聞こえますが、目の前の滞りを改善すれば、その効果は全世界に広がっていくのです。
私たちは、そんな世界規模の視野を持ったうえで、会津地域を流れる風と水の流れをより心地よいものに改善するために活動します。活動の場所はある意味すべての場所ですが、初期は、水や空気と縁が深い植物が集まる杜に焦点を当てて、活動をしていきたいと考えています。
取り組み
まず取り組むのは、伊佐須美の杜の改善
岩代國風結びの初めての活動は、伊佐須美神社の杜の再生です。
伊佐須美神社は、古くから会津地域を代表する信仰の対象であり、豊かさの象徴でもありました。しかし近年、社殿を取り囲む社叢(杜)の元気が、徐々に失われてきていました。
その原因には様々な憶測があり、動物や鳥の活動が原因だとする考えもありました。しかし、私たちは、あらゆる動植物は、彼らなりのやり方で、環境をより良くしようと、無意識に活動している存在だと感じています。イノシシが斜面に穴を掘るのも、サギが局所的にフンを落とすのも、やぶ蚊が大量発生するのも、すべて“場”をよくするために、それぞれが努力した結果だと捉えます。そう考えてみると、動物や植物たちを見る目が優しくなっていき、同時に人間の役割とは何なのかと探求したくなります。
数十年前にはなかった人工物が増え、なかなか杜の管理も行き届かなくなった今、講師の方の考え方や作業の仕方に学びながら、杜の活力を取り戻すために必要なことを探求し、行動していきたいと思います。


応援メッセージ
伊佐須美神社 権禰宜 谷内大樹様
「伊佐須美の杜」と親しまれる当社の社叢は、第29代欽明天皇21年(560)に明神ヶ岳より凡そ現在の宮地へ遷座あそばされてより、神の杜として人々の信仰とともに大切に守られて参りました。そのため、会津開拓以前の生態を表わしているとされ、植物学・民俗学的にも重要であるとして、福島県緑の文化財・会津美里町天然記念物に指定されております。爾来、人の手が入ること無く、自然の移ろいのままに栄枯を繰り返しながら動植物の営みを抱えて参りましたが、近年に至り、気候の変動や周辺環境の変化等も伴い、社叢の様相も様変わりし、著しい衰微が見られるようになりました。
今までは、神の杜として畏み、人の手を加えることを極力避けて参りましたが、将来を見据えますと、人と自然が相共に生きとし生けるものが循環し、永続的な自然保護を目指すことが重要であると存じます。
当神社に伝わる古い祝詞の言葉に「天地和調へ雨風も時に順ひ」という言葉があります。自然の循環の中に身を置き、あるいは寄り添って人の営みを育むことこそ、神の道の一つであり、初めて五穀の稔りをはじめ千代八千代へと続く世の平らぎや人々の暮らしの安寧を得られるものと存じます。
会津の総鎮守である「伊佐須美の杜」という一社叢から、全会津へと風が吹き抜けて、自然環境の再生や活性化が図られることを期待し、この土地に暮らす人々の心の平安がもたらされますようお祈りいたします。
伊佐須美神社 権禰宜 谷内大樹